気ままにダイアリー
土方さんの絵をきわめたいです。でも時間がない。ボロッ
13 March (Tue)
- 2012/03/13 (Tue)
- ショートストーリー |
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スクアーロおめでとう!!! でも今日はアーサーを書きに来たのである。どう頑張っても夢主の名前変換を入れるのは難しそうだしそれ以前に入れられない気がしたし。本家に「いつ/かく/るさよな/らの前」って絵があるんですが、それがどうしても忘れられない。切なすぎる…(;∀;)新大陸はほんと泣く。ベーエーでもエーベーでも一向に構わないしどちらも好きなんですが、やっぱり新大陸は三人(+世界の兄ちゃん)がほのぼのしてるの見るのが一番好きですボロボロ
というわけで読んでくださる方は下から。夢主が語ってるだけのお話未満の妄想です。恥ずかしくなったら消す
というわけで読んでくださる方は下から。夢主が語ってるだけのお話未満の妄想です。恥ずかしくなったら消す
アーサーの家のソファはふかふかしていてひどく心地良い。少し年季が入っているものも多いが、アーサーの家の家具はどれも綺麗でわたしは好きだった。
そこに体を横たえアーサーの膝に頭を乗せれば、アーサーは一瞬きょとりと目を瞬かせたがやがて小さく笑って「今日は甘えただな」と頭を撫でてくれた。アーサーが無意識のうちにか口ずさんでくれた子守唄が優しくて、うとうとしているうちにいつの間にか眠ってしまっていたらしい。明るかった部屋には、赤い日が差し込んでいる。
わたしを膝に乗せたまま布団を取りに行けなかったからだろう。わたしの体にはアーサーの来ていたカーディガンがふわりと乗せられていた。
「……アーサー」
風邪引くよ、と小さく声をかけてみる。
わたしの肩に手を置いてすやすや眠るアーサーを、起こさなければいけないと思いつつも起こせなかった。綺麗な翡翠の瞳は今は隠れ、少年のようにあどけない眠り顔だけが晒されている。
「アーサー、夜ご飯」
声は自然と小さく押さえられていた。ぐっすりと安眠している人間(もっとも、彼は“人間”ではないわけだが)がこれで起きるはずがない。それならそれでいいとすら思う。
ゆっくりと手を持ち上げ頬を撫でる。滑らかな肌は冬の乾燥も知らないらしい。
「アーサー」
「……ん」
アーサーが小さく身動ぎをした。驚いて手を離せば、むにゃむにゃと口元を動かしたアーサーがゆるりと口の端を持ち上げた。
自愛に満ちたその表情に、わたしは息を呑んだ。
アーサーの浮かべる、今までわたしが見たことのないこの表情がわたしに向けられているものではないと、何故だかわたしは瞬時に理解した。わたしに向ける笑顔は、これではない。いくら幸せそうな笑顔だと思っていたって、これほどまでに幸せそうな、突付けば壊れてしまいそうな幸せを噛み締めるような、……こんな、表情を。
彼が、浮かべているなどと。
実際に目にしていなければ、きっとわたしは信じられなかっただろう。
「……おきた、のか……」
「……」
「めし……つくらねえとなあ……」
アーサーはふにゃりと笑って、わたしの髪を撫でた。
「あるも、ましゅーも……てつだって、くれるか……?」
ぽろり。
見開いた目から一粒雫が零れた。
どう足掻いたってわたしは人間だ。わたしがこの世に生を受ける何百年、何千年も前から彼らは存在し、わたしが知りようのない苦しみも楽しみも幸せも経験してきたのだろう。
そこにあるひとつが、これだ。
わたしに理解出来ようはずもないのだ。彼らが共に過ごした時間はきっと短かったのだろうが、それでもわたしがこうして生きてきた時間の何倍、下手をすれば何十倍。
羨ましくて羨ましくて、羨ましくて。
逆に、妬ましい。
これほどまでの愛情を一身に受け、それでも尚彼の元から離れ、彼に癒えない傷を負わせ、そうしたくせに彼は未だに彼らを忘れることなどしない。いくら大事なものが出来ようと、守るべきものが出来ようと、初めて手にした喜びは彼の中から消え去ることはない。
それは同時に、彼の傷も消え去ることがないことを示している。
「……アーサー」
寝惚けていただけだったらしいアーサーは返事をしなかった。
わたしが老いて、貴方の前から消えることがあっても、きっと貴方はわたしを忘れない。忘れないだろうが、わたしのいなくなった瞬間を夢に見て泣くようなことは、きっとないのだろう。
そこに体を横たえアーサーの膝に頭を乗せれば、アーサーは一瞬きょとりと目を瞬かせたがやがて小さく笑って「今日は甘えただな」と頭を撫でてくれた。アーサーが無意識のうちにか口ずさんでくれた子守唄が優しくて、うとうとしているうちにいつの間にか眠ってしまっていたらしい。明るかった部屋には、赤い日が差し込んでいる。
わたしを膝に乗せたまま布団を取りに行けなかったからだろう。わたしの体にはアーサーの来ていたカーディガンがふわりと乗せられていた。
「……アーサー」
風邪引くよ、と小さく声をかけてみる。
わたしの肩に手を置いてすやすや眠るアーサーを、起こさなければいけないと思いつつも起こせなかった。綺麗な翡翠の瞳は今は隠れ、少年のようにあどけない眠り顔だけが晒されている。
「アーサー、夜ご飯」
声は自然と小さく押さえられていた。ぐっすりと安眠している人間(もっとも、彼は“人間”ではないわけだが)がこれで起きるはずがない。それならそれでいいとすら思う。
ゆっくりと手を持ち上げ頬を撫でる。滑らかな肌は冬の乾燥も知らないらしい。
「アーサー」
「……ん」
アーサーが小さく身動ぎをした。驚いて手を離せば、むにゃむにゃと口元を動かしたアーサーがゆるりと口の端を持ち上げた。
自愛に満ちたその表情に、わたしは息を呑んだ。
アーサーの浮かべる、今までわたしが見たことのないこの表情がわたしに向けられているものではないと、何故だかわたしは瞬時に理解した。わたしに向ける笑顔は、これではない。いくら幸せそうな笑顔だと思っていたって、これほどまでに幸せそうな、突付けば壊れてしまいそうな幸せを噛み締めるような、……こんな、表情を。
彼が、浮かべているなどと。
実際に目にしていなければ、きっとわたしは信じられなかっただろう。
「……おきた、のか……」
「……」
「めし……つくらねえとなあ……」
アーサーはふにゃりと笑って、わたしの髪を撫でた。
「あるも、ましゅーも……てつだって、くれるか……?」
ぽろり。
見開いた目から一粒雫が零れた。
どう足掻いたってわたしは人間だ。わたしがこの世に生を受ける何百年、何千年も前から彼らは存在し、わたしが知りようのない苦しみも楽しみも幸せも経験してきたのだろう。
そこにあるひとつが、これだ。
わたしに理解出来ようはずもないのだ。彼らが共に過ごした時間はきっと短かったのだろうが、それでもわたしがこうして生きてきた時間の何倍、下手をすれば何十倍。
羨ましくて羨ましくて、羨ましくて。
逆に、妬ましい。
これほどまでの愛情を一身に受け、それでも尚彼の元から離れ、彼に癒えない傷を負わせ、そうしたくせに彼は未だに彼らを忘れることなどしない。いくら大事なものが出来ようと、守るべきものが出来ようと、初めて手にした喜びは彼の中から消え去ることはない。
それは同時に、彼の傷も消え去ることがないことを示している。
「……アーサー」
寝惚けていただけだったらしいアーサーは返事をしなかった。
わたしが老いて、貴方の前から消えることがあっても、きっと貴方はわたしを忘れない。忘れないだろうが、わたしのいなくなった瞬間を夢に見て泣くようなことは、きっとないのだろう。
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銀魂を中心に愛を叫ぶ現役学生。最近は土方さんしか見えてません。チラ見程度に浮気癖あり。
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